紀伊國屋寄席の柳家喬太郎師匠

こんなのが紀伊國屋のトリでいいんだろうか…

大トリの喬太郎師匠の『結石移動症』という創作落語。ケンちゃんは結石が体中をめぐる奇病で洋食屋の経営ができなくなる。贔屓は近所のソープランド。娘が配達する。娘はソープ嬢と間違われたりする。ケンちゃんを心配してソープ嬢がかけつける。そんな中、ケンちゃんの息子が久しぶりに帰ってくる。女性を連れている。女性はケンちゃんに息子との結婚を許してもらいに来たのだが、実は元ソープ嬢でケンちゃんの贔屓。そっからすったもんだでよくわからない終わり方をするのだが、噺の途中、喬太郎師匠は何度も頭を抱え、「こんなのが紀伊國屋のトリでいいんだろうか…」とか、「一之輔さんと代わってもらえばよかった」とか言ってうずくまる。



わたくし的には春風亭一之輔師匠の『へっつい幽霊』のほうがおもしろかったのですが、柳家喬太郎師匠の『結石移動症』にはある社会的効果があると思いました。



それは何かというとソープ嬢という一般に大きな声では言えない職業にスポットをあて、その悲哀を描いた作品だからです。風俗・性風俗に関わる仕事だからといって汚らわしく思うのは立派な差別です。職業差別です。私はソープ嬢、立派な職業だと思います。長いこと行ってませんが。

そのような意味で喬太郎師匠のこの作品は更に練り上げて、もっといい作品にしていただきたい。ちなみにあの無理やりなオチは不要です。



実はこれ、ある方からもらったチケットでして。行く予定が行けなくなったと。コロナで休演以降、久しぶりの公演。ただしソーシャルディスタンス。



帰り、ひとりとぼとぼと。なんか末広亭の前をうろうろしてみたく。そして腹が減ったので写真にある日本再生酒場へ。立呑屋です。煙草もフリー。



豚のモツ煮込みです。関西人の私も豚モツをおいしいと感じるようになってきました。



店内はこんな雰囲気。



で、ここへ行って帰ってきました。てへ。
 

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