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夕刊フジの「ザル入国」発言に異議あり
佐藤正之自民党外交部会長の物知らず
夕刊フジという新聞があります。夕刊フジは二〇二一年三月十日のネット配信で、新型コロナウイルスで「水際対策」がなされているにも関わらず多くの外国人が入国していることを「ザル入国」と暴言を吐いています。発端は自民党外交部会長の佐藤正之氏の会合での次の発言です。
「日本は、入国後の外国人らの管理もあくまでも自主性任せ。先進国の中でもかなり緩く、甘すぎる。これでは国民の不安は収まらない」
入管庁の公表によると二〇二一年二月の外国人入国者数は計一万三千八二四人だそうです。そのうち一千四六九人が人道上の配慮が必要な「特段の事情」による入国者で、一万二千三五五人が日本に在留資格(ビザ)をもつ再入国者だったそうです。
ちなみに夕刊フジは「査証(ビザ)」と混同した記述をしています。査証ではありません。在留資格です。
再入国者は日本にビザ(在留資格)をもっているのであり、日本に戻ってくる権利があります。日本人の配偶者もいます。会社員もいます。経営者もいます。永住者もいます。定住者もいます。高度専門職もいます。医者に学者に弁護士もいます。
佐藤氏は「いかに入国させないかという視点で対応を急ぐべきだ」と語っているそうです。
みなさんはどうお考えになるでしょう。あなたの奥さんや旦那さん、あるいは子どもに対し「入国さすな」と言われたらどう思いますか。佐藤氏が「日本人さえよければいい」という偏狭な考え方の持ち主であったとしても、主権者である国民の家族に配慮しない姿勢は批判されるべきです。
確かにコロナがこれ以上、蔓延したら大変です。そうならないために出来得る限りの対策をして入国を許しているわけです。
在留期間が過ぎてしまうと在留資格認定証明書で一から呼ぶしかなく、入管の業務もより一層、煩雑になります。そんな彼ら彼女らの残業代は我々納税者がまかなっています。それでも佐藤氏は「入国さすな」と言うのでしょうか。
自民党の外交部会長という要職を担っている佐藤氏のこのような認識は極めて残念です。家族離散にもつながります。わからないのでしょうか。
それとも外交部会長でありながら入管法の基本もご存知ないのでしょうか。あきれてものも言えません。